船橋市・市川市・八千代市・習志野市を中心に千葉県で新築住宅・中古住宅・土地を販売・買取・リフォームをしております「サワキタ不動産」です。
先日、とあるお客様からご自宅の売却仲介のご依頼を受けました(K様、ありがとうございます)。売却の理由をお尋ねしたところ、返済が厳しくなったからというのが、最大の理由だとのことです。
K様の年齢はもうすぐ60歳、御子息はすでに独立され、夫婦の二人暮らしです。査定をしたところ、ここ数年の不動産価格の上昇により残債分は十分一括返済ができることがわかり、喜んでおられました(売却までしっかりフォローさせていただきます)。
K様も、住宅購入当初は返済に困っていなかったのですが、その後の状況変化によりかなり厳しくなったとのことです。給与水準は上がらず、子供の学費等が増える一方、返済額は変わらないので、差し引きギリギリかマイナスの月もあったそうです。
住宅ローンは大半が「元利均等返済」ですから、時間が経過しても返済額は変わらないのが当然です。元利均等返済以外の返済方法には、「満期一括返済」「バルーン返済」「元本均等返済」などがございます。満期一括返済やバルーン返済は事業性資金の返済方法として適用されることが多く、個人ではほぼみられません。個人向けは、元利均等もしくは元本均等返済に限定されます。
一般的なローンの解説資料では、元利均等返済は当初返済額が元本均等返済よりも少なく返しやすいとか、毎回同額の返済額となるため、管理がしやすいとかのメリットが記載されています。
実は、肝心なことが書かれておりません!
元利均等返済の場合、当初返済額が少ないということは、本来払っておくべき利息が払い切れず残ってしまうのです。その払い切れなかった利息には、さらに金利が付与され支払額が大きくなっていきます。
金利分にも金利がつくという考え方は、いわゆる「複利」ということになります。つまり、銀行の立場に立ってみると、住宅ローンを元利均等返済で借りられた方は、複利で支払ってくれる奇特な方だということです。
元本均等返済の場合、金利分の支払いはその時点で未返済の元本部分に対応する額のみですから、複利でありません。銀行にとっては、「おいしくない客」ということになります。
元本均等返済の場合、融資期間の半分が経過すると、元本も半分に減っていますので利息分は半分になります。融資期間の大半が経過すると、元本もゼロに近づいているはずですから、利息分もゼロに近づいています。
K様がもし、元利均等返済ではなく、元本均等返済を選択されていたら、返済に困るようなことも無かったのではないかと思ってしまいます。
投資の世界では、「複利効果」といって、利息に利息がつくような運用をすべきだというのが一般的ですが、立場を変えて借りる方に立ってみると、複利効果がある住宅ローンは、実はかなり不利な方法であるのです。
以上、元利均等返済の落とし穴 銀行にとっての複利効果を解説いたしました。サワキタ不動産では中古住宅に限らず、新築一戸建て、土地、一棟マンション、一棟アパート、投資用マンションなど幅広い物件での購入にお応えしております。失敗しない購入のために、お気軽にご相談ください。