前回の第1回では、相続の全体スケジュールと「10ヶ月」という期限の重要性についてお話ししました。

「うちは相続税がかかるかもしれない」 そう思った時、次に直面するのが**「実家(不動産)の価値をどう計算するか」**という問題です。
現金と違い、不動産には「一物四価(一つのものに4つの価格がある)」と言われるほど、さまざまな評価基準が存在します。第2回となる今回は、相続税を決める「不動産の評価ルール」と、分け方次第で税金が数百万円も変わってしまうという驚きの真実について解説します。
第1章:相続財産の評価方法 〜実家の価値はどう決まる?〜
相続税を計算する際、現金や預貯金は「1,000万円は1,000万円」としてそのままの金額でカウントします。しかし、土地や建物などの不動産は、**「相続税評価額」**という特別なルールで計算する必要があります。
ここを知っておくだけで、大まかな税金の目安がつくようになります。
1. 土地の評価を決める「2つのモノサシ」
土地の評価額は、実際に売買される価格(時価)とは異なります。主に以下の2つの方法のどちらかで計算されます。
- 路線価(ろせんか)方式: 街中の道路一本一本につけられた「道路の値段(路線価)」に、土地の面積をかけて計算する方法です。市街地の多くはこの方法です。
- 倍率(ばいりつ)方式: 路線価がない地域で使われます。自治体が決める「固定資産税評価額」に、国税庁が定めた一定の「倍率」をかけて計算します。
💡 知っておきたい目安 相続税の評価額は、一般的に**「実際に売れる金額(時価)の約8割」程度になると言われています。 毎年届く「固定資産税の通知書」に載っている評価額は時価の約7割ですので、「固定資産税評価額を1.1倍くらいにすると、おおよその相続税評価額が見えてくる」**と覚えておくと便利です。
2. マンション所有者が注意すべきポイント
「うちは一戸建てじゃなくてマンションだから、土地の計算は関係ないのでは?」と思われるかもしれませんが、実はそうではありません。
マンションの一室を所有している場合でも、建物全体の敷地のうち、自分の持ち分(敷地権)に応じた「土地」を所有していることになります。そのため、お部屋(建物)の評価だけでなく、土地の評価もしっかりと計算に含まれます。
特に最近では、購入価格と評価額の差を利用した「タワーマンション節税」への監視が厳しくなっています。相続直前に購入してすぐに売却するような極端なケースでは、税務署から「通常のルールは認めない」と高い税金をかけられるリスクがあるため注意が必要です。
3. 「使いにくい土地」は評価が下がる(=税金が安くなる)
土地の形や環境によっては、評価額をグッと下げられる可能性があります。これは、**「使いにくい土地=価値が低い」**とみなされるためです。
- 形が悪い土地: 三角形やL字型(不整形地)、通路の奥にある土地(旗竿地)など。
- 環境に制限がある土地: 道路との間に大きな段差がある、騒音がひどい、高圧線が上を通っているなど。
- 他人に貸している土地: アパートを建てて貸している場合(貸家建付地)などは、自分一人で自由にできない分、評価額が下がります。
これらを見極めるには専門的な知識が必要ですが、まずは**「うちの土地は形が悪いから、少し税金が安くなるかも?」**と心に留めておいてください。
4. 最大の節税カード!「小規模宅地等の特例」
実家の相続において、最も強力な武器になるのがこの特例です。 一定の条件を満たすご自宅の土地であれば、なんと評価額を「8割」もカットできます。
例えば、5,000万円の価値がある土地が、一気に「1,000万円」として計算されるのです。これを使えるかどうかで、相続税が出るか出ないかが決まると言っても過言ではありません。
ただし、この特例には**「絶対に守るべき2つの条件」**があります。
- 家族で揉めないこと: 「誰がこの家を継ぐか」という話し合い(遺産分割協議)が申告期限までにまとまっていないと、この特例は使えません。
- すぐに売らないこと(同居親族の場合): 亡くなった方と同居していた親族がこの特例を使う場合、相続税の申告期限(10ヶ月)まではその家に住み続ける必要があります。
⚠️ ここが落とし穴! 「すぐに売りたいけれど、特例も使いたい」という場合は、売却のタイミングを慎重に判断する必要があります。**「特例を使って税金を安くしてから売却する」**といった戦略的なスケジュールを、不動産会社や税理士と一緒に立てることが重要です。
第1章では不動産ならではの「評価」のルールについてお話ししました。続く第2章では、税務署が最も厳しくチェックするポイントと、「誰が実家を継ぐか(どう分けるか)」によって税金が劇的に変わってしまうという、相続のリアルな裏側を解説します。
特に、実家を巡るごきょうだい間の話し合い(代償分割)には、思わぬ「税金の落とし穴」が潜んでいますので、ぜひ注意してご覧ください。
第2章:税務署が目を光らせる「預貯金」と、分け方で変わる「相続税」
1. 税務署は「現金・預貯金」を一番疑っている!

相続財産というと、金額の大きい「実家(不動産)」ばかりに目が行きがちです。しかし、税務署の考え方は全く違います。税務署は**「不動産は登記されているから隠しようがないが、お金は簡単に隠せる(逃がせる)」**という前提で調査にやってきます。
そのため、「亡くなった日の預金残高」だけを申告して終わり、とはいきません。税務署は以下のようなポイントを徹底的にマークしています。
- 過去のお金の動き: 亡くなる直前に、ATMから多額の現金が引き出されていないか。
- 家族の預金口座: 亡くなった方だけでなく、残された配偶者やお子様の通帳履歴もチェックされます。
- 貸金庫の中身: 銀行の貸金庫や、ご自宅の金庫なども当然チェックの対象です。
⚠️ 要注意!「名義預金」の落とし穴
税務署が最も目を光らせているのが**「名義預金(めいぎよきん)」**です。
例えば、ずっと専業主婦だった奥様の口座に3,000万円の貯金があったとします。ご家族は「これは母のお金だ」と思っていても、税務署からは**「長年、ご主人の収入を妻の口座に移していただけで、実質的には亡くなったご主人のお金(名義預金)ですよね?」**と高確率で疑われます。
これを防ぐためには、「妻の実家から相続したお金である」「妻自身が独身時代に働いていた時の貯金である」といった、税務署を納得させられるだけの証拠をしっかり準備しておくことが大切です。
2. 「誰が・何を・いくらもらうか」で税金は劇的に変わる
相続税は、「遺産の総額が同じなら、誰が払っても同じ金額になる」わけではありません。実は、税金を安くする特例や控除は**「条件を満たした人が相続した場合」にしか使えない**からです。
- 配偶者の税額軽減: 残された配偶者(夫や妻)は、最低でも1億6,000万円までは相続税がかからないという超・強力な制度です。
- 障害者控除: 相続人が障害をお持ちの場合、年齢に応じて一定額の税金が免除されます。
【失敗例と成功例】分け方の違いで税金はどう変わる?
例えば、お母様(特別障害者)と子ども2人がいるケースで考えてみましょう。
- ❌ 失敗例(税金が高くなる): お母様の将来の財産管理を心配し、「お母様には何も相続させず、子ども2人で全て半分ずつ分ける」という遺産分割をしたとします。この場合、お母様は1円も相続していないため、「配偶者の軽減」も「障害者控除」も一切使えなくなり、子どもたちに多額の相続税(例:2人で250万円など)が発生してしまいます。
- ⭕️ 成功例(税金をゼロに抑える): お母様に「ほんの少しの財産(現金の一部など)」だけでも相続してもらいます。すると、お母様が計算に加わるため、強力な「配偶者の軽減」や「障害者控除」の枠をフル活用でき、結果的に家族全員が支払う相続税を「ゼロ」に抑えられるケースがあるのです。
3. 実家を継ぐ時の落とし穴「代償金(だいしょうきん)」
第1章で、自宅の評価額を8割も下げられる「小規模宅地等の特例」をご紹介しました。この特例を使って長男が実家を相続し、同居していないお姉さんに代わりの現金を渡して納得してもらう(これを代償分割といいます)ケースには、最大の注意が必要です。
⚠️ 払いすぎる代償金は、新たな税金を生む!
例えば、長男が6,400万円相当の実家を相続したとします(特例を使って税務上の評価額は1,280万円まで下がっています)。 ここで、お姉さんから「不公平だから私に現金で5,000万円払って」と要求され、長男が自腹で5,000万円を支払う約束をしたとしましょう。
一見、長男は特例を使って実家の税金をゼロにでき、お姉さんもお金をもらえて円満解決に見えます。しかし、相続税の計算上は大変なことになります。
- 長男の状況: 特例を使って「1,280万円」の価値の土地をもらったのに、お姉さんに「5,000万円」も払っている。つまり、**長男の取り分は大幅なマイナス(大赤字)**になっているとみなされます。
- 計算の決まり: この「マイナス分」はゼロとして切り捨てられてしまうため、せっかくの特例の効果が十分に発揮されません。
結果として、**「特例を使えば税金ゼロのはずだったのに、お姉さんに多額の現金を払いすぎたせいで、結果的にお姉さんと長男の両方に多額の相続税が発生してしまう」**という最悪の事態が起こり得るのです。
💡 プロからのアドバイス:実家はどう分けるべき? 代償金として親族に現金を渡す場合は、市場の相場価格だけでなく「相続税の評価額(特例を使う前の金額)」も基準にして、慎重に金額を決める必要があります。 もし「そんな多額の現金は用意できない」「税金の計算がややこしくて揉めそう」という場合は、無理に誰かが実家を継ぐのではなく、**「実家を売却して現金化し、その現金をきっちり公平に分ける(換価分割)」**という選択肢が最もトラブルが少なく、おすすめの方法です。
第2回目(中編)の第3章ですね。承知いたしました。
この章では、不動産や預貯金といった「目に見えやすい財産」以外で、一般の方が非常によくつまずく**「隠れ財産(自社株・保険金・生前贈与)」**について解説します。 ここで「思いがけない税金が発生するかもしれない」という気づきを与えることで、「いざという時のために、実家の価値を把握して現金化の準備をしておくべきだ」というマインドセットを作ることができます。
それでは、SEOと読みやすさを意識して再構成した第3章をご覧ください。
第3章:忘れがちな財産に注意!「自社株」と「みなし財産・生前贈与」
相続財産と聞くと、実家などの不動産や銀行の預貯金ばかりをイメージしがちです。しかし、ご自身で会社を経営されている場合や、将来のためにと生前対策(贈与や保険)を行っていた場合、税金特有のルールを知らないと思わぬ多額の税金を請求されることになります。

ここでは、一般の方が一番見落としやすい3つの財産について解説します。
1. 会社を経営している場合の「自社株」の評価
ご自身やご家族で会社を経営している場合、その会社の株式(上場していない非上場株式)も立派な相続財産に含まれます。上場企業のように「今日の株価はいくら」という明確な数字がないため、特別な方法で価値を計算しなければなりません。
実は、この自社株の評価は**「誰がその株を引き継ぐか(立場)」によってガラッと変わります。**
- 経営陣(同族株主)が引き継ぐ場合: 亡くなった方やそのご家族で会社を支配している場合、会社の資産価値などを基に細かく計算され、**評価額が非常に高くなる(=税金が高くなる)**のが原則です。
- 経営に関わっていない人(少数株主)が引き継ぐ場合: 経営権を持たない少数の株を持っているだけの場合、会社の資産ではなく「配当金」を基準に計算できるため、評価額が低く抑えられる特例があります。
2. 遺産ではないのに税金がかかる「みなし相続財産」
家族で「誰が何をもらうか(遺産分割協議)」を話し合う必要がない財産でも、税金の計算上は「相続財産」に含めなければならないものがあります。これを**「みなし相続財産」**と呼びます。
代表的なものが**「生命保険金」と「死亡退職金」**です。 これらは法律上は「受取人に指定された人個人の財産」ですが、税務署は「実質的に亡くなった方から受け継いだ財産と同じだよね」とみなして、相続税の対象とします。
⚠️ 生命保険の「非課税枠」の落とし穴 生命保険金には、**「500万円 × 法定相続人の数」**という税金がかからない特別な非課税枠があり、節税に非常に有効です。 しかし、この非課税枠が使えるのは、保険金の受取人が「法定相続人(配偶者や子ども)」である場合のみです。可愛いからといって、法定相続人ではない「お孫さん」や「お嫁さん」を受取人にしていると、この非課税枠は一切使えないため注意が必要です。
3. 亡くなる直前の「生前贈与」は無かったことになる!?
将来の相続税を減らすために、お子さんやお孫さんに毎年少しずつお金を贈与(生前贈与)している方も多いと思います。しかし、亡くなるタイミングによっては、この頑張った節税対策が無効になってしまいます。
亡くなる前「3年以内」の贈与は持ち戻し(加算)される
亡くなる前の3年間に贈与した財産は、たとえ年間110万円以下の非課税枠に収まっていて贈与税がかかっていなかったとしても、相続税の計算をする際には**「亡くなった方の財産」として足し戻して計算しなければならない**という厳しいルールがあります。 (※税制改正により、この期間は今後段階的に「7年前」まで延長されていくため、早めの対策がより重要になっています)
【裏ワザ】持ち戻しを回避できる例外ルール
実は、この厳しい持ち戻しルールは「相続によって財産をもらう人(遺産を受け継ぐ人)」に対してのみ適用されます。
つまり、「遺産を一切相続しない人」に対して行った贈与であれば、亡くなる直前3年以内であっても足し戻す必要はありません。 例えば、遺産を相続する予定のないお孫さんやお嫁さんに生前贈与をしておけば、駆け込みでの節税対策としても有効になる場合があります。
第4章:相続税計算の裏側と、「家族の話し合い」における注意点
相続税の計算や遺産分けの話し合いにおいて、多くの方が「法律の落とし穴」にハマってしまいます。ここでは、知っておかないとご家族間で無用なトラブルを生んでしまう重要なルールを解説します。

1. 意外と知らない「相続税の計算ルール」
相続税は、「自分がもらった財産の額に、そのままポンッと税率をかけて計算する」と思われがちですが、実は違います。以下の3つの手順を踏む、少し変わった計算方法になっています。
- まずは全体の税金(総額)を出す: 実際の分け方はひとまず置いておき、「もし法律で定められた割合(法定相続分)でキッチリ分けたとしたら、税金はいくらになるか?」を仮定して、ご家族全体で支払う「相続税の総額(パイの大きさ)」を計算します。
- 実際の割合で割り振る: 家族の話し合い(遺産分割協議)で決まった「実際に財産をもらう割合」に応じて、先ほど出した「相続税の総額」を各自に割り振ります。
- 個人的な割引を引く: 各自に割り振られた税金から、「配偶者の税額軽減」や「障害者控除」などの個人的な割引を差し引いて、最終的な支払額が決まります。
つまり、全体の税額を決める作業と、各自の支払額を決める作業は別々に行われているのです。
2. 「家族の感情(民法)」と「税金のルール(税法)」は別物
実家やお金の分け方を話し合う際、ごきょうだいの間で以下のような不満が出ることがよくあります。
- 特別受益(生前の援助): 「お兄ちゃんは家を建てる時に、親から多額の資金援助をもらっていたじゃないか!」
- 特別寄与分(介護の苦労): 「長女の私が仕事を辞めて、何年も無償で親の介護をしてきたんだから、多くもらって当然でしょ!」
これらは、遺産を不公平なく分けるための「民法上の話し合い」では非常に重要な主張であり、お気持ちとしては痛いほどよくわかります。 しかし、実は**「税金の計算(税法)」においては、直接関係してこない(相続税の計算式には出てこない)**ケースがほとんどなのです。
ここが大きな落とし穴で、「税理士の先生にお願いすれば、過去の援助や介護の苦労もうまく税金計算に反映して、丸く収めてくれるだろう」と期待されることがありますが、税理士はあくまで「税金計算のプロ」です。家族間の感情的な揉め事や法的な権利の主張を、直接解決してくれるわけではありません。
3. 「揉めないこと」が最大の節税対策になる理由
第1章でお伝えした通り、ご自宅の土地の評価額を8割も減らすことができる「小規模宅地等の特例」は、絶大な節税効果を持つ制度です。
しかし、この特例を使うための大前提にして最大の関門が、**「家族で揉めていないこと(遺産分割の話し合いが完了していること)」**です。
もし、過去の援助や介護の負担などを巡って家族が対立し、相続税の申告期限(亡くなってから10ヶ月)までに「誰が実家を継ぐか」が決まらなかったらどうなるでしょうか?
その場合、この強力な特例は一切使えません。 特例が使えない状態での「本来の非常に高い評価額」で計算された多額の相続税を、ひとまずご家族で立て替えて税務署に支払わなければならないという、恐ろしい事態に陥ってしまいます。
💡 実家で揉めないための「賢い選択肢」 「誰が実家をもらうか」で意見がぶつかった時、一番の解決策は**「実家の正確な価値(査定額)を全員で共有すること」**です。価値がわからないまま話し合うから、疑心暗鬼になって揉めるのです。 査定額を出した上で、「現金で公平に分けるために、実家は売却しよう」と決断することが、結果的に最大の節税(特例を確実に使える状態を作ること)に繋がるケースは非常に多いです。
第5章:税務署はここを見る!「税務調査」への備えとその他の税金
相続税の申告が終わって「これでやっと一息つける…」と思いきや、忘れた頃にやってくるのが税務署による「税務調査」です。 実は、相続税は他の税金に比べて税務調査に入られる確率が非常に高いと言われています。最後に、税務署がどこに目を光らせているのか、そして相続税以外に気を付けるべき税金について解説します。

1. 税務署の基本スタンス「不動産はごまかせないが、お金は隠せる」
税務署の調査官は、最初からかなり厳しい目線を持っています。彼らの基本的な考え方は、**「土地や実家などの不動産は登記されているから隠しようがない。でも、現金や預貯金は家族が結託すれば簡単に隠したり逃がしたりできるはずだ」**というものです。
そのため、ご家族が「亡くなった日の預金残高」だけを真面目に集計して申告しても、それだけでは納得してくれません。亡くなる直前に不自然な現金の引き出しがないかなど、過去にさかのぼって「お金の流れ(履歴)」を細かくチェックされます。
2. 徹底的な事実確認!税務署がチェックする3つの場所
税務署は、亡くなった方のお金が他の場所に隠されていないか、以下のような場所を徹底的に調査します。
- 生きている家族の通帳: 亡くなった方の口座だけでなく、残された配偶者や子どもが現在使っている通帳も確認されることがよくあります。
- 金庫や貸金庫: 自宅の金庫はもちろん、銀行の貸金庫の中身も開けて確認を求められます。
- 預貯金以外の金融資産: 現金だけでなく、家族名義になっている株や定期預金も、「本当は亡くなった方のお金で買ったのでは?」と疑われる対象になります。
3. 疑われた時の最大の防御は「証拠(理論武装)」
例えば、ずっと専業主婦だった奥様の名義で多額の預金や株があったとします。税務署から「これはご主人の収入を移しただけの名義財産ですよね?」と疑われた場合、「絶対に私の財産です!」と口頭で感情的に主張するだけでは認めてもらえません。
税務署の難癖を跳ね返すためには、**「証拠に基づいた説明(理論武装)」**が不可欠です。
- お金の出所(原資)はどこか: 「自分の親から相続したお金だ」「昔働いていた時の給与の残りだ」など、出所の事実を整理しておく。
- 誰が管理していたか: 通帳や印鑑を、亡くなった方ではなく名義人本人が本当に自分で管理していたかどうかも重要です。
もしどうしても説明がつかない場合は、後々のトラブルを防ぐために、潔く「亡くなった方の財産」として相続税を払い直す決断が必要になるケースもあります。
4. 相続税だけじゃない!「所得税」にも要注意
人が亡くなった時に発生する税金の手続きは、実は相続税だけではありません。**「所得税」**も密接に関わってきます。
- 準確定申告(じゅんかくていしんこく): 亡くなった方のその年(1月1日から亡くなった日まで)の所得を計算し、ご家族が代わりに税務署へ申告する手続きのことです。この期限は**「亡くなってから4ヶ月以内」**と、相続税(10ヶ月)よりもさらに早いため要注意です!
- 過去の申告状況: 亡くなった方の過去の所得税の確定申告の内容は、「この人は生前これくらい稼いでいたから、これくらいの財産(預金や不動産)が残っているはずだ」と税務署が推測する、非常に強力な材料になります。
💡 まとめ:ごまかしの効かない「実家」だからこそ、早めの査定を! 現金や預貯金は、分けやすそうに見えて実は税務署から一番疑われやすい、デリケートな財産です。一方で「実家(不動産)」は、価値の評価ルールさえプロに任せれば、税務署から「隠し財産だ」と疑われるリスクはありません。 そのため、**「まずは実家の正確な価値(査定額)を把握し、それを軸にして公平に遺産を分ける(あるいは売却して現金化する)」**という進め方が、税務調査のリスクを減らし、家族間でも揉めない最も賢い相続対策と言えます。
まとめ:実家で損をしない最大の秘訣は「正しい価値」を知ること
第2回目となる今回は、不動産の評価方法から、分け方による税金の違い、そして税務署の厳しいチェックポイントまでを解説しました。
- 不動産の評価は複雑: 特例(小規模宅地等)を使えば8割も評価額が下がり、大幅な節税になります。
- 分け方で税金が変わる: 誰が財産を継ぐかによって、使える控除(配偶者控除など)が大きく変わります。
- 代償金には要注意: 実家を継ぐ代わりに現金を払うと、思わぬ税金が発生して大損するリスクがあります。
- 税務署はお金に厳しい: 現金や「名義預金」は徹底的にマークされますが、評価基準が明確な不動産は、プロに任せれば疑われるリスクを減らせます。
相続において、一番の悲劇は**「家族で揉めてしまい、使えるはずの節税特例が使えなくなること」**です。 現金と違ってきっちり半分に割ることができない「実家」だからこそ、まずは誰の目にも明らかな「客観的な価値(査定額)」を出すことが、揉めない相続の第一歩になります。
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