【住宅購入 STEP1】

まずは条件を緩めて「相場観」を養おう|失敗しない物件探しの第一歩

住宅購入は、人生最大の買い物であり、多くの方にとって初めての経験です。

マイホームへの夢が膨らむ一方で、「何から手をつけて良いのか」「大きな金額を動かすのが不安だ」と感じるのも当然のことです。

実際、知識不足のまま進めてしまい、「業者手数料」や「住宅ローン金利」といった項目で、知らず知らずのうちに数百万円単位の損をしているケースが後を絶ちません。

こうしたリスクを回避し、納得のいくマイホームを手に入れるためには、人任せにせず、自ら情報を集め、主体的に判断することが不可欠です。

そのための最初の一歩であり、最も重要な準備段階となるのが、「お家えらびの6STEP」におけるSTEP 1です。

まずは条件を緩めて探してみよう — 住宅購入の「相場観」を養う

住宅購入を成功させるための最初のステップは、物件の探し方、すなわち「市場を広く知る」ことから始まります。

この段階の主な目的は、契約を急ぐことではありません。

あなたが心から「住みたい」と思える理想の家を見つけること、そして物件を見る**「目利き力」**を養うことにあります。

1. 探す場所:3大ポータルサイトを活用する

物件探しを効率的に行うために、初心者がまず活用すべきは、以下の「3大ポータルサイト」です。

  • SUUMO(スーモ)
  • at home(アットホーム)
  • LIFULL HOME’S(ライフルホームズ)

これらのサイトには、大手から中小まで、あらゆる不動産会社が取り扱う物件情報の大半が掲載されています。

個別の不動産会社のホームページを一つ一つ巡るよりも、まずはこれらのポータルサイトで広く情報を集めるのが最も便利で効率的です。

初心者はどう使い分ける?
3大ポータルサイトの強み

SUUMO

スーモ

check_circle

総合力No.1
掲載数が多く、アプリも使いやすい

check_circle

最初の1つとして最適

まずはここから!

at home

アットホーム

check_circle

地域密着に強い
昔ながらの不動産屋の情報が多い

check_circle

掘り出し物が見つかるかも

マニアックな物件も

HOME’S

ライフルホームズ

check_circle

検索機能が充実
「タグ検索」などで条件絞り込み

check_circle

地方エリアにも強い

こだわり検索派に

※各サイトの特徴は一般的な傾向であり、エリアによって異なる場合があります。

2. 探す際の心構え:「条件を緩める」ことの重要性

この最初の検索段階で最も重要な心構えが、ステップ名にもある通り**「条件を緩める」**ことです。

多くの購入希望者は、最初から「予算上限」「学区」「間取り」「築年数」など、細かな条件を厳しく設定して検索しがちです。

しかし、STEP 1の時点では、予算や学区など細かいことは気にせずに、**「住みたいと思う家をどんどん見つける」**ことから始めてください。

なぜ、あえて条件を緩める必要があるのでしょうか?

それには、住宅購入の成功に不可欠な「2つの要素」を磨くという重要な目的があります。

理想の家に出会うまでの
「絞り込み」プロセス

最初は「広く・多く」見ることが、判断の土台になります

💡 なぜ「条件を緩める」のか?

上の図のように、最初は青色の部分(ネット検索)の母数を広げることが重要です。 多くの物件を見ることで「相場観」という土台ができ、最終的にオレンジ色の部分(購入)で迷いなく決断できるようになります。

目的①:相場観を養う(市場の「常識」を学ぶ)

不動産市場における**「相場観」**とは、特定のエリアや条件(広さ、築年数など)に対して、価格が適切であるかどうかを直感的に判断できる能力を指します。

もし最初から「3,500万円以下、駅徒歩10分以内」といった厳しい条件で絞り込んでしまうと、画面に出てくる物件数が限られてしまいます。結果として、「その価格が本当に安いのか、高いのか」を比較検討する機会そのものが失われてしまうのです。

条件を緩めて多くの物件を閲覧することで、以下のような市場の感覚が徐々に身についていきます。

  • 「この広さ、この立地ならだいたいこのくらいの価格帯になるんだな」
  • 「駅近だと、これくらい狭くなるのが普通なんだな」

この相場観こそが、後の価格交渉や、「この物件の価格は本当に適正なのだろうか?」という疑問を持った際の、正しい判断の基礎となります。

目的②:物件の目利きを養う(自分の「理想」を明確にする)

多くの物件を見ることで、購入者自身の**「見る目」**が養われます。

例えば、インターネット上の写真では素敵に見えた物件も、詳細情報を見ると「隣家との距離が近すぎる」「前面道路が狭い」など、見落としがちな問題点が見えてくるようになります。逆に、期待していなかった物件の思わぬ魅力に気づくこともあるでしょう。

このプロセスを通じて、以下のような自己分析が進みます。

  • 自分にとって**「本当に譲れない条件」**は何か?
  • 逆に**「妥協できる条件」**は何か?

この自己分析こそが、最終的に**「この家ステキ!」「欲しい!!」と心から納得できる物件**を見つけるための鍵となります。

3. 物件選定の軸:変えられないものを優先する

STEP 1でさまざまな物件を見る中で、理想と現実のギャップに直面することも多いでしょう。すべての条件を満たす完璧な物件にはなかなか出会えないものです。

その際、物件を決断するための揺るぎない目安として、**「変えることができない事項を大事にする」**という考え方を持ってください。

【物件選びの優先順位】

優先すべき事項(変えられないもの)妥協できる事項(変えられるもの)
土地の広さ建物の内装・設備
(リフォームで変更可能)
駅からの近さ中古か新築か
(建物は建て直しが可能)
立地
(災害リスク、用途地域など)
間取り
(リノベーションで変更可能)

例えば、土地の広さや駅からの近さは後から努力しても変えることができません。しかし、建物は中古であっても将来的にリフォームや建て直しが可能です。

このため、土地や立地といった**「変えられない要素」を最重要視すること**が、将来後悔しない物件選びの鉄則となります。

物件選びの最重要ルール

優先度:高

変えられないもの

  • 土地の広さ・形状
  • 駅からの距離・立地
  • 周辺環境(坂道・治安)
  • 日当たり・眺望

優先度:低

あとから変えられるもの

  • 内装・壁紙の汚れ
  • 設備の古さ(キッチン等)
  • 間取り(ある程度は可)

建物はリフォームできますが、立地は一生変えられません。

4. 営業マンとの関係性:相性よりも「家そのもの」を見る

物件を探し始めると、さまざまな不動産会社の営業マンと接することになります。中には「とても良い営業マンだったから」という理由で、その営業マンが提案する物件や銀行を選んでしまうケースも少なくありません。

しかし、住宅購入という大きな決断において最も大事なことは、営業マンとの相性ではなく、住宅そのものの内容をしっかりと見極めることです。

営業マンは、人柄が魅力的で誠実に見えるかもしれませんが、彼らは「自社の商品を売るプロ」です。彼らの提案を一つの意見として参考にしつつも、営業マンとの相性とは切り離して、住宅そのものの価値を冷静に見る姿勢を持つことが重要です。

5. STEP 2への準備:インターネット情報だけでは不十分

STEP 1で「欲しい!」と思える物件が見つかったら、次のステップに進む準備が完了です。

しかし、ここで重要なのは、**「ポータルサイトなどのインターネット情報だけでは分からない情報が多数存在する」**という認識を持つことです。

初心者が購入に踏み切る前には、以下のような具体的な不安が必ず出てきます。

  • 「この物件の価格は本当に適正なのだろうか?」
  • 「10年後、20年後も価値が下がりにくい物件なのか?」
  • 「小学校やスーパー、病院は近くにあるか?子育て環境はどうだろう?」
  • 「土地の災害リスク(ハザードマップなど)は心配ないか?」

これらの疑問は、SUUMOなどの物件情報だけを見ていても解決しません。

「周辺環境や資産価値」に関する詳細な情報を客観的に評価するために、次のSTEP 2:2つのレポートで詳細チェックへ進む必要があります。

この初期段階で多くの選択肢を見て目を養うことが、その後の資金計画(STEP 3)や内見(STEP 4)において、専門家の意見に流されず、自分自身が納得して最高の決断を下すための強力な土台となるのです。