売買契約と融資申し込み
「融資特約」と契約書の罠
ハンコを押す前に知っておくべき、最大の防御策。
このページの要点
- 購入申込書には法的拘束力はないが、手付金(現金)の準備が必要。
- 「融資特約」がないと、ローン審査落ち時に手付金が没収される。
- 契約書は定型文よりも「備考・その他」の欄にリスクが潜んでいる。
STEP 4で「この家だ!」と確信したら、いよいよ法的な手続きに入ります。
ここからは専門用語が多くなりますが、ポイントを押さえれば怖くありません。全体の流れを確認しましょう。
契約までの3ステップ
1. 購入申込
意思表示と手付金準備
2. 重要事項説明
宅建士による詳細説明
3. 売買契約
署名捺印と印紙貼付
1. 購入意思の表明:申込書と手付金
まずは「購入申込書(買付証明書)」を提出します。これ自体に法的拘束力はありませんが、売主との交渉のスタートラインです。
💰 手付金は「現金」で!
契約時に支払う手付金(物件価格の5〜10%)は、住宅ローン融資実行前の支払いとなるため、必ず現金で用意する必要があります。
例:3000万円の物件なら、約50〜150万円程度が目安です。
2. 最大の防御策:「融資特約(ローン特約)」
ここが今回最も重要なポイントです。
もし本審査に落ちてしまった場合、契約はどうなるのでしょうか?
融資特約「あり」の場合 ⭕️
審査に落ちても、契約は白紙撤回。
支払った手付金は
全額戻ってくる。
融資特約「なし」の場合 ❌
審査に落ちて買えなくなっても、
支払った手付金は
没収される(戻らない)。
契約書に「融資特約」の記載があるかを必ずチェックしましょう。これがないと、ローンが組めないのに数百万円を失うという最悪の事態になりかねません。
3. 契約書の「落とし穴」はどこにある?
重要事項説明書や売買契約書は分厚く、全てを読み込むのは大変です。
しかし、国土交通省のひな型通りの「定型文」部分は、基本的にはトラブルになりにくいように作られています。
本当に怖いのは、定型文ではない「特約・備考・その他」の欄です。
契約書を読むときの「集中力配分」
全体の量に対して、リスクが潜んでいる場所は偏っています。
※「備考・その他」欄に、その物件特有のイレギュラーな条件(落とし穴)が書かれていることが多いです。
💡 対策:事前にもらって読む
当日の説明(1〜2時間)だけで全て理解するのは不可能です。
「重要事項説明書と契約書のドラフトを事前にメールでください」と依頼し、家で落ち着いて読んでから当日に臨むのが、賢い買主の行動です。
4. 融資の最終関門:本審査
契約と並行して住宅ローンの「本審査」を申し込みます。ここで絶対にやってはいけないことがあります。
- ❌ 新しい借金を作る: 車や家具をローンで買わない。
- ❌ カードの分割払い: クレジットカードのリボ払いや分割払いも借金とみなされます。
- ❌ 転職・退職: 審査属性が変わってしまい、否決される可能性があります。
※後ほど親ページ作成時にリンクを繋ぎます