【保存版】相続で揉めない・損しない「遺言書」作成ガイド|不動産相続の落とし穴と対策を専門家が徹底解説

「親が亡くなったあと、実家の相続で兄弟がバラバラになってほしくない」 「遺言書を書いておけば安心だとは思うけれど、何から手をつければいいのか……」

相続、特に「不動産」が絡む相続は、人生で最も大きな資産が動く場面です。しかし、実は相続トラブルの約8割が、遺産総額5,000万円以下の「ごく普通のご家庭」で起きていることをご存知でしょうか。その原因のほとんどは、**「不動産をどう分けるか決まっていなかったこと」**にあります。

この記事では、初めて相続に向き合う方に向けて、遺言書の選び方から、不動産特有の節税対策、揉めないための実務的なテクニックまで、7つのステップに分けて徹底解説します。


第1章:なぜ不動産相続には「遺言書」が不可欠なのか?

多くの人が「うちは財産も少ないし、家族の仲もいいから大丈夫」と考えがちです。しかし、不動産には「現金」にはない3つの厄介な特徴があります。

1-1. 不動産は「きれいに分けられない」

1,000万円の現金なら1円単位で分けられますが、実家を「リビングは長男、キッチンは次男」と分けることはできません。 遺言書がない場合、相続人全員で「遺産分割協議」という話し合いを行いますが、ここで意見が食い違うと、不動産は「共有名義(みんなで持つ)」という最悪の選択肢を選びがちになります。共有名義は、将来売却する際にも全員の同意が必要になり、次世代にトラブルを先送りするだけです。

1-2. 価値の判断が人によって違う

「この家は古くて価値がない」と思う長男と、「思い入れがあるし、地価は上がっているはずだ」と思う次男。評価額をめぐって話が平行線になることは珍しくありません。遺言書で「誰に何を渡すか」を指定しておくことで、この不毛な争いを回避できます。

1-3. 納税資金を確保しにくい

相続税がかかる場合、原則として「現金」で納めなければなりません。資産のほとんどが不動産の場合、相続した子供たちが税金を払うために、泣く泣く実家を急いで安値で売却しなければならないケースもあります。


第2章:【比較】自分に最適な遺言書の種類を選ぶ

遺言書には主に3つの形式がありますが、初心者が実務で使うのは実質2つです。

2-1. 自筆証書遺言(法務局保管制度の活用)

2020年から始まった「自筆証書遺言書保管制度」により、自分で書いた遺言書を法務局が預かってくれるようになりました。

  • メリット: 費用が数千円と安く、紛失や隠匿のリスクがない。
  • デメリット: 内容の有効性(法的に意味があるか)までは保証されない。
  • 向いている人: 財産構成がシンプルで、まずは手軽に意志を残したい方。

2-2. 公正証書遺言(専門家が推奨する理由)

公証役場へ行き、法律のプロである「公証人」が作成する遺言書です。

  • メリット: 形式不備で無効になるリスクがほぼゼロ。 また、原本が公証役場に保管されるため、偽造の心配もありません。
  • デメリット: 数万〜十数万円の費用がかかる。
  • 向いている人: 不動産を所有している、家族間で意見の相違が予想される、確実に意志を通したい方。

【結論】不動産があるなら「公正証書遺言」一択です。 数万円の費用を惜しんだために、死後に家族が数百万円の裁判費用を払うことになっては本末転倒だからです。


第3章:遺言書を「無効」にさせないための防衛策

せっかく作った遺言書が、死後に「無効」だと訴えられるケースが増えています。特に狙われるのが**「意思能力(認知症)」**の問題です。

3-1. 認知症リスクと遺言能力

反対勢力(財産を少なく割り当てられた相続人)は、「作成時、父は認知症で判断能力がなかった」と主張してきます。これが認められると遺言書は無効になります。

3-2. 実務で効く「証拠づくり」のコツ

  • 長谷川式スケールの点数: 認知機能検査の結果を記録しておく。
  • 医師の診断書: 「遺言作成に必要な判断能力を有している」という一筆をもらう。
  • 動画撮影: 公証人と受け答えしている様子を録画する。

「そこまでしなくても……」と思うかもしれませんが、不動産という高額な資産が動く以上、この「念には念を入れた準備」が残された家族の盾になります。


第4章:不動産相続を賢く乗り切る「節税」のテクニック

遺言書で「誰に渡すか」を指定する際、税金の知識があるかどうかで、支払う相続税が数百万、数千万単位で変わります。

4-1. 「小規模宅地の特例」という最強の武器

亡くなった人の自宅土地を、配偶者や同居親族が引き継ぐ場合、330㎡までの土地の評価額を80%減額できる制度です。

  • 例: 評価額1億円の土地が、わずか2,000万円として計算されます。
  • 注意点: 誰に相続させるかで適用可否が決まります。「同居していない長男」が継ぐと、この特例が使えず、多額の税金がかかる可能性があります。

4-2. 二次相続まで見据えた「分け方」のシミュレーション

一次相続(父→母)では配偶者控除により税金が安くなりますが、その後の二次相続(母→子)では、母がもともと持っていた財産と父から引き継いだ財産が合算され、税率が跳ね上がることがあります。 遺言書を書く段階で、**「父から直接子供に引き継がせた方が、トータルで安くなる」**ケースを見極めることが重要です。


第5章:争いの種「遺留分(いりゅうぶん)」をどう封じ込めるか

遺言書で「長男に全財産を譲る」と書いても、他の兄弟には最低限の取り分を請求する権利(遺留分)があります。これが現代の相続争いの主戦場です。

5-1. 遺留分侵害額請求は「現金」で解決する

以前は「家を返せ」という主張もできましたが、現在は**「足りない分を現金で払え」**というルールに一本化されました。 ここで問題になるのが、長男が「家を継いだけれど、弟に払う現金がない」というパターンです。

5-2. 不動産オーナーのための遺留分対策

  • 生命保険の活用: 受取人を長男に指定して保険金を残す。その保険金を遺留分の支払原資(代償金)に充てる。
  • 生前贈与の整理: 10年以上前の贈与は原則として遺留分の対象外になるなど、早めの対策が有効。
  • 付言事項(ふげんじこう): 遺言書の最後に「なぜこの分け方にしたのか」という感謝と想いを綴る。これが意外と、親族の感情を静める大きな力になります。

第6章:出口戦略としての「不動産売却」と遺言書

「家を継ぐ人がいない」「将来誰も住まない」という場合、遺言書で**「清算型遺言(せいさんがたゆいごん)」**を指定しておくのが非常に有効です。

6-1. 清算型遺言とは?

遺言書の中で「この不動産を売却し、諸経費を差し引いた残金を手続きに協力した相続人で分ける」と指定する方法です。 これをしておかないと、死後に相続人全員で売却の手続き(媒介契約の締結など)を行う必要があり、一人でも反対したり、連絡が取れなかったりすると、家はそのまま放置され「空き家」になってしまいます。

6-2. 生前に「価値」を把握しておく重要性

遺言書に「この家を長男に、現金を次男に」と書く前に、必ず今の不動産価格をプロに査定させてください。 「1,000万円だと思っていた家が、実は3,000万円の価値があった」となれば、次男から不満が出ます。公平な遺言書を作るためには、最新の市場価格を知ることがスタート地点です。


第7章:まとめ、そして「次の一歩」へ

遺言書作成は、ゴールではなく「家族の未来を守るための第一歩」です。 特に不動産をお持ちの方は、法的な知識だけでなく、「不動産のプロ」と「税務・法務のプロ」の両方の視点が必要になります。

私たちが、あなたの「納得できる相続」をサポートします

弊社では、不動産売却の仲介だけでなく、相続に精通した専門家ネットワークを活かし、以下のようなお悩みにワンストップでお応えしています。

  • 不動産査定: 相続の基準となる「市場価格」をスピーディーに算出します。
  • 売却シミュレーション: 今売った場合、将来売った場合、どちらが賢い選択かをアドバイスします。
  • 専門家紹介: 相続税に強い税理士や、紛争解決に長けた弁護士など、あなたに最適なパートナーをご紹介します。
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※免責事項: 本記事の内容は一般的な情報提供を目的としており、個別の法律的・税務的判断については、必ず弁護士、税理士、司法書士等の専門家にご相談ください。

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