相続の前に!家族信託によるスムースな不動産の実質的な承継

船橋市・市川市・八千代市・習志野市を中心に千葉県で新築住宅・中古住宅・土地を販売・買取している「サワキタ不動産」です。

我が国の総人口(2021年9月15日現在推計)は、前年に比べ51万人減少している一方、65歳以上の高齢者人口は、3640万人と、前年比22万人増加しました。総人口に占める割合は29.1%と過去最高を記録しています。人口動態は不動産業界でも注目すべき指標として、ウォッチが欠かせませんが、高齢者人口増加にともない相続の相談も増えています。

高齢者の場合、認知症を発症しているケースも多くみられ、本人名義の土地・建物の処分などに支障をきたす場合も珍しくありません。

現在の日本の法律体系では、資産は個人に帰属するものであるため、その個人に当事者能力がなくなった場合、後継者であってもおいそれとは触ることができません。資産の所有者が死亡した場合については、相続により資産の承継がなされますが、認知症発症で当事者能力がなくなった場合、かなり面倒なことになります。

そこで、重要な解決策となってくるのが『家族信託』です。

家族信託とは

家族信託は、不動産などの所有権を「財産権」と「名義」とに分け、「名義」のみを子どもに変えることで、子どもに不動産の管理処分などの権限だけを先に渡すことができる制度です。

「名義」は変わりますが、「財産権」は所有者のもとままであるため、贈与税や不動産取得税などを課税されることがありません。不動産等資産の所有者である親の認知症が悪化しても、家族信託がなされていれば、資産を処分して治療や介護費用に充てることが可能になります。

家族信託には、委託者・受益者と受託者の3者が登場することになりますが、大抵の場合、資産の所有者である親は委託者であり、信託の利益を受けとる受託者を兼ねることになります。また、通常子供が信託される受託者となることが多いでしょう。

成年後見制度との違い

認知症が悪化した場合の制度として、成年後見制度も有名です。これは重い認知症となった親に代わり、その人の財産を守るため、第3者が資産を管理・契約を結ぶことができる制度です。しかし、認知症になった親を守るという要素が強いため、総合的にみてかなり使いにくい制度になっています。たとえば、子供など親族が成年後見人にはなれない場合がかなりあります。また、親本人以外の家族のためであっても使うことが制限される場合があります。

成年後見人を選ぶのは家庭裁判所になりますが、家族が成年後見人に選ばれた比率は令和元年度の統計では約20%にとどまります。それ以外は家族ではない専門家などが選ばれるケースが多くなっています。

また、財産の活用もかなり制限されます。制度の目的が認知症になった人を守ることにあるため、家族であっても本人以外のための使用は制約を受けるのです。

生前贈与との違い

生前贈与では所有権も名義も子供に移りますが、贈与であるため税務面でのデメリットがかなり顕著です。まず、基礎控除額が110万円と低いこと。高率な相続税以上にさらに税率が高率であることです。相続税の基礎控除は3000万円+(600万円×法定相続人の数)ですから、配偶者・子供2人の場合4800万円が基礎控除額となり、それ以上について相続税がかかります。相続税の場合取得金額1000万円の場合税率10%ですが、贈与税の場合30%にもなります。

家族信託のメリット

受託者となった子供は不動産の管理・活用が可能となる

家族信託を、父親と子どもの間で結んでおけば、たとえ父親が寝たきりになってしまって意思表示ができない場合であっても、子どもが土地活用についての意思決定を行い、事業を進めていくことができます。そして得たお金で父親の入院費用や生活費を支払っていくことができます。

相続人が複数いる場合、共有名義にしなくてすむ。

相続人が複数いた場合、一つの資産を共同で所有する共有名義となる場合があります。相続した一棟マンションを2人で共有し、階数によって持分を分けたため、上下で入居率が大きく違うなんていうこともありました。共有になると部分的な処分がほとんど不可能になるため、売却には共有者全員の同意を得ることが非常に重要となります。仲がいい兄弟であればいいのですが、意見の違いが出て何もできないという物件はかなり多くみられます。

家族信託の場合、受託者の判断で運用・処分が可能になりますので、委託者・受益者のために不動産を売って介護等の費用に充てるということがスムーズにできます。

不動産取得税・贈与税がかからない

贈与税がかからない話はしましたが、不動産取得税もかかりません。ただし、親が死亡して相続した場合には相続税がかかります。贈与税より相続税の方が税率が軽くなるので、その点でも有利です。また不動産取得税は相続にはかかりません。

家族信託のデメリット

家族信託制度は、平成19年に施行された制度です。まだまだ対応できる専門家が少ない、長期間の契約になるので、関係者が縛られるなどのデメリットもありますが、総じてメリットの方が大きいでしょう。

家族信託制度を不動産に使う場合の注意点

家族信託で不動産の売却を行う場合、信託契約内容に不動産の処分権限を盛り込んでおくことが重要です、この権限がないと家族信託があっても不動産を売却することができません。売却代金は受益者である親の介護費用等に使用することができます。

弊社では家族信託を取り扱っている税理士・司法書士と提携しております。お気軽にご相談ください。

以上、家族信託によるスムースな不動産の実質的な承継を解説いたしました。サワキタ不動産では中古住宅に限らず、新築一戸建て、土地、一棟マンション、一棟アパート、投資用マンションなど幅広い物件での購入にお応えしております。失敗しない購入のために、お気軽にご相談ください。

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